祖母がいるのは建物の4階、だが縁起が
悪いから5階と呼ばれている

認知症も進んで、調子の良い日・悪い日の
差が激しくなってきており
自分が面会に行った日は起き上がりも
せず、横たわったまま天井を見つめていた

話しかければ会話はできるが、時おり
辻褄の会わないことも言う

声を掛けて様子を見ていると、祖母は
小さく首を振り天井を右から左に、
また右から左に視線を送っているのだ

左にあるのは窓、自分が天井を見ても
当然ながら何もない

「首ふっているけどどうしたの？
　枕の高さが合わないのかな？」
と聞いたら
「みんながお宮へ行くから見てる」
と…みんなとは誰ですか？

何か行列でも見える？
まさかお迎え？？


建物の4階の天井と言えば5階の
床の高さ、過去ログを読んだものだから
リアル霊道？と恐ろしかった

それから1ヶ月、祖母は息災に暮らしている、
同じフロアで召された方も
いらっしゃらないようだから
少なくともお迎えではなかったの
だろう