tsuru_origami

758: もっふるさん 02/05/08 20:42
俺は中学・高校の時、寮に入ってた。
その時の出来事。

その寮では夜、自習時間というのがあって、
自習は自習棟という、宿泊棟とは別の
ところで行われていた。

Tという後輩が自習中、宿泊棟に忘れ物を
したので、こっそり取りに戻ったときの事だ。

自習時間中は宿泊棟の電気は基本的には
付けてはいけないので、電気を付けずに
Tは宿泊棟に入っていった。

Tの部屋に行くには、Jの部屋の前を
通らなければならない。

Jはこのとき、体をこわして入院をして
寮にはいなかった。

Tは自分の部屋にいく途中、Jの部屋に
人の気配を感じた。

人がいるはずのないJの部屋に気配が
あるのはおかしい。

そう思いながら、TはちらりとJの部屋に
視線を送った。

するとなんとそこには、Jのベッドの上で
帽子をかぶって正座をしている女の子がいた。

女の子がいるはずはなかった。
ここは男子寮なんだから。

Tは慌てて逃げた、忘れものも取らずに
逃げた。

その後も、Jのベッドでは帽子をかぶった
女の子が何度か目撃された。

続く

759: もっふるさん 02/05/08 20:58
数日後、Jは退院して寮に戻ってきた。

みんなは、帽子をかぶった女の子の話を
Jにした。

お前の部屋には霊がいると。

Jはそれほど驚くことなく、
「それはたぶん・・・」
と話し始めた。

Jの実家は開業医。

Jがまだ小学生の頃、風邪をこじらせて
長期で学校を休んでいたとこがあった。

Jは自分の家の病院に入院し数日が過ぎた
ある日、1人の女の子がその病院に
担ぎ込まれてきた。

その女の子は、交通事故にあい、
頭に深い傷を負っていた。

その病院は、脳外科とは違い専門外だったが
緊急ということで、運ばれてきたという。

応急処置をして、専門の病院に移される間、
ベッドが空いていなかったこともあって、
Jの横のベッドにその女の子は運ばれてきた。

並んでベッドに横になる2人。

どれぐらいの時間がたっただろうか、
Jは女の子の視線を感じた。

女の子の方を向くと、うつろな目でJを
じっと見つめていたという。

続く

760: もっふるさん 02/05/08 21:08
Jは彼女が自分を見ていないことが
すぐ分かった。

女の子の視線の先には、Jの為にクラスの
みんなが織ってくれた千羽鶴があった。

Jは千羽鶴から一羽の鶴をむしり取ると、
女の子のベッドに投げてやった。

女の子はとくに表情を変えることはなく、
うつろな目のままだったという。

しばらくして、女の子は専門の病院に
移されていった。

そして、Jはその子が亡くなったことを
後日知らされた。

Jは自分の部屋に来たのは、たぶん
その女の子だろうと言った。

また入院してしまった自分を応援しにきて
くれたのだろうと・・・

そして、帽子は傷を負った頭を隠すため
だろうと。

その後その女の子は2度と現れなかった。

この話を聞いて、お礼だったら寮じゃなくて、
Jの入院する病院に行けばいいのに。
と思ったりした。

761: もっふるさん 02/05/08 21:55
>>758-760
あぁ、ちょっといい話だ・・・

762: もっふるさん 02/05/09 04:18
いいはなし、でも

>この話を聞いて、お礼だったら寮じゃなくて、
>Jの入院する病院に行けばいいのに。
  と思ったりした。

この冷静なコメントにワラタ


引用元
https://curry.5ch.net/test/read.cgi/occult/1002357757/


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