couple_fufu_old

820: もっふるさん 02/06/05 17:32
私の祖父の話。

私が14の頃祖父は亡くなった。
とても怖くて頑固で小さい頃からひざに
座ったりなどとてもできないと
思っていたほど私には絶対の存在だった。

親戚一同そう思っていたようだった。

祖父は盆栽や菊の栽培が大好きで
展覧会用の朝顔も庭いっぱい
つくっていた。

ガンで何年も浮腫みと戦ってついに
母の前で吐血してしまった祖父・・。

入退院を繰り返しもう先が無く
自宅療養に入ったときだった。

ろくに見舞いにも行かずICUで
横たわる祖父を見てどれだけ
後悔したか・・!

数日後祖父は荼毘にふされた。

その祖父の葬儀は祖父が大切に育てた
鉢植えがいっぱいの庭で行われた。

長い葬儀の中、ふと見ると縁側の手すりに
朝顔の種が巻きついていた。

わたしは祖父との思い出にそれを
ポケットにいくつかしまいこんだ。


つづく***

821: もっふるさん 02/06/05 17:50

何年か経ち、祖父のいない寂しさにも
慣れた頃ある夢を見た。

祖父とあの庭で沢山の鉢植えの前を前にして
朝顔の植え方を教わっている夢だった。

祖父は優しかった。

なぜか私は小学生くらいになっていたと
おもう。

「こうやって植えるんだ・・・」
そんな感じで。

目が覚めて母や祖母に話した、
朝顔の種をもっていることを。

するとこんな話が出てきた。

祖父が亡くなって叔母たちと形見分けが
始まった時、叔母がいつも祖父の指に
あった指輪が欲しいといった。

祖母は小引出しのなかにあるといって
探し始めたが、どの引出しにも
見当たらない。

叔母は諦めて帰っていった。

「おかしいね~、
   ここにいれたんだけど・・」
と祖母が引き出しを引くとそこに
コロリと祖父の指輪が。

きっとおばあさんの近くにいたかった
んだろうね、と叔母は少しすねていた
そうだ。

私の祖父が亡くなって小さな不思議が
多々起こるようになった。

少しずつここに残していきます。
それではまた・・・。

829: もっふるさん 02/06/11 01:51
821のつづきです。

祖父がなくなってから十数年たち、
祖母にも痴呆などが出てくる歳に
なった頃、祖母は叔母のうちに
同居し始めた。

一人暮らしはボケてしまうからと
いうことだったがそこのうちの子
(私の従兄弟)は弱ってきた祖母を
いじめた時期があった。

動きも覚えも鈍くなってしまった祖母との
同居でストレスなどもあったらしい。

そんな日々のある晩、2階で寝ていた
従兄弟が急に起き出して騒ぎ始めた。

『部屋が線香くさいんだ』
そう言っておびえていたそうだ。

叔母は祖母の部屋にある祖父の遺影を
見に行ったが線香には火は付いて
いなかったし、その線香の香りを
感じられるのはその従兄弟だけ
だったのだ。

叔母は従兄弟に
「おじいちゃんに謝っておいで」
と日ごろの行為を祖父の遺影に
詫びるように話し、従兄弟もそれに
従うといつのまにか線香の香りは
しなくなった。

「おじいちゃんはおばあちゃんを
   守ってるんだよ」
と叔母は話してくれた。

そしてその祖母も数年前他界した。
親族全員に見守られて亡くなっていった。

危篤となる数日前に見舞いに行った。
ボケてしまっても私のことだけは
忘れず最後まで
「赤ちゃんは連れてこなかったの?」
と私の子供を見たがっていた。

カサカサのとても暖かい手・・・。
会話はそれが最後になった。

祖母が亡くなった後、友引などの関係で
葬儀がなかなか決まらず、葬儀屋と
親族との話し合いが数時間に
およんでいた。

私はその頃自宅のこたつでうたた寝を
して母からの連絡を待っていた。

℡が鳴り日取りが決まったからと母の声。
生返事を返してこたつにもどった。

そして夢を見た。

私と兄で美術館に向っている。
その入り口にイスに座る祖父と祖母。

祖父は
「ずっと待っていたんだよ、
 3時だろう?」
と歩み寄ってきた。

兄は
「ちがうよ、時間は・・・」
と報告している。

その光景を座ったまま見守る祖母。

あ・・と思った瞬間目が覚めた。
朝顔の夢以来の祖父の姿だった。

「おじいちゃん、待ってたんだ・・。」

夢の中の祖父は微笑んでいた気がした。

その晩、布団に入ってうとうと
していると、寝室に誰か入ってきた。

そして私の背中に寄り添うように
暖かさが・・・。

私はすぐに祖母だと思った。
目をつぶっているのになぜか寝巻きの
柄が見えた。

そして祖母はふっといなくなった。
全く恐怖心は無かった。

それから数日後の通夜のとき祖母は
あの晩の柄の寝巻きを着て眠っていた。

「やっぱりなぁ」
と親族に夢と夜の出来事を話した。

皆、祖父が亡くなってからのいろいろな
出来事のこともあり疑ったり気味悪がる
人はいなかった。

祖父が祖母を待っていてくれたことを
喜んでいた。

葬儀は盛大に行われ、その夜私は自宅に
戻った。

また布団に入るとしばらくして誰かが
やってきた。

真っ白い割烹着を着た若い祖母だった。
後ろには祖父が。

祖母は私を抱きしめてくれた。

夢なのか現実なのかわからない体験
だったが、祖母が幸せそうだった。

それがとても嬉しかった。

霊感があることを嫌がっていた私
だったがこのときはこの感覚を持っていて
よかったと本当に思った。


たいした話しでもないのに長文で
申し訳ありませんでした。

830: もっふるさん 02/06/11 04:40
いい夫婦だったんだね。
おじいちゃんとおばあちゃん。

そんなジジババになりたいよ。
しみじみ


引用元
https://curry.5ch.net/test/read.cgi/occult/1002357757/


人気ブログランキング


ポチッとお願いします(*´꒳`*)




sponsored links