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300: もっふるさん 2006/09/28(木) 19:02:09 ID:5u8lR1u5
もう数年前の話・・・出張中の事。

赴任して数週間、新天地に馴染めず
毎日酒場に繰り出す有様。

そんなある日、近くの居酒屋で自分
同い年位の米国人男性と会った。
その人もなんとなく寂しそうなので
一杯ご馳走する代りに、話相手に
なってもらおうと思って、ビール
ご馳走してみた。

その男性は初めはビックリしてた
ものの、私の方を見て
「ありがとうございます」
と流暢な日本語の返事と笑顔が。
そして、一緒に飲みませんかと
お誘いが。

それで彼の話を聞くと、元々日本が
大好きで、最近旅行で日本に来てみた
ものの、やっぱりそこは見知らぬ地、
右も左も判らず、寂しく暇を持て
余していたとのこと。

どうやら、その人も日本に暫く
滞在するらしので、時間がある
時には一緒に飲もうと約束をし、
その後かなりの頻度で一緒に遊ぶ
関係に。

それから約1年後、彼とはもう
親友といって良いほどになっていた。

ある日、割りと馴染みにしていた
バーに二人で行き、そこで彼は
「そろそろ、帰国しなければ
 いけなくなった」
と告げ、
「それで今までの感謝の気持ちとして、
 一杯奢りたいんだけどいいかな?」
と。

それまでは、二人の間では基本的に
割り勘が約束で、安易に奢ったり、
ねだったり等は二人ともしなかった。

その時は、私は割りと軽い気持ちで
「じゃぁ、お願いするよ」
と頼んだ。
そして、彼が頼んだカクテルを飲み、
その日は何時も通り酔っ払いになり
何事もなく終え帰宅の途へ。

301: もっふるさん 2006/09/28(木) 19:05:24 ID:5u8lR1u5
数日後、彼は本国に帰国する事に
なり、彼の見送りに私も同行した。

そして、彼は私に
「本当に滞在期間は楽しかったよ、
 一生の思い出だよ」
と言った、
その大げさな返事に私は、
「そんな大げさな事じゃないだろ?
 また来いよ。」
とそう言うと、彼は少し悲しそうな
顔をして、
「そうだね。来れる様に頑張るよ」
と。

最後に彼は、
「またな、来世でもな」
といって本国に帰った。

数ヶ月後、ようやく出張の仕事が
終わりかけていた頃、一通の
国際郵便が。

それは彼が病気で、この世を去った
との旨の内容だった。
彼は治療不可能な病気に懸かっており、
来日した時には余命半年と言われて
いたらしい。

彼の手紙には
「日本滞在の時には本当に世話に
 なった、もう自分はこの世には
 いられないが、天国で日本の
 良さと素晴らしさを伝えるよ」
との内容が。

また、ご両親からの手紙にも
「息子は日本が大好きで、帰国後、
 毎日私達に日本の話や、貴方の
 話をしていました。貴方のお陰で、
 余命を伸ばしてもらい、そして
 苦しまず天国へ行けました。
 本当にありがとうございました。」
と内容。

この手紙を読んだ時は思いっきり
泣きましたがね。

そしてハードボイルド小説が好き
だった彼の遺言には、こんな事も。

「『長いお別れ』ではないが、
 あの日あの店でご馳走した
『ギムレット』をもう一度頼んで
 くれないかな。」
と。

まぁ、判る人には判ると思うけど、
未だにその遺言は果たしていないが。


なんかgdgdですまん。
あんまり、日本びいきな話にならんで
すまん。

本人は日本好きだったんだけどな。

305: もっふるさん 2006/09/28(木) 19:47:39 ID:bZQCbb5l
>>301
(´;ω;`)ウッ

306: もっふるさん 2006/09/28(木) 20:07:14 ID:8yVPYNgO
>>300
全俺が泣いた

307: もっふるさん 2006/09/28(木) 20:13:59 ID:kZ7RmjL7
つうか余命半年の息子を見知らぬ
国に送り出したそいつの両親も
すごいな。

最後の思い出に家族と共に過ごす
ことを選ばずに単身外国に飛んで、
言葉も通じない酒場で孤独に酒を
飲むってどんな気持ちなんだろう。

なんだか想像もつかんよ。
何でそんなことまでするほど日本が
好きになっちゃったんだろうな……。

>>301
何年先でもいいから旅行のついで
でもいいからそいつの両親が生きてる
うちに渡米してそいつの墓に酒でも
手向けてやれ。
何ならギムレットでも。

で、両親に思い出話でもしてやれ。

長いお別れは後に残る人間の
思い出で相サツされると思うぞ。

312: もっふるさん 2006/09/28(木) 21:55:45 ID:QJ3nv6xg
>>307 
なんつうか、言いたいことが
レスになってしまったので、投下・

>余命半年の息子を見知らぬ国に
送り出したそいつの両親も
すごいな。

まぁ、彼は裕福な家庭の息子さん
だったからね。
それに日本にも係り付けの医者が
居たらしいし。

健康状態は細かくチェックしていた
らしいけど、あの日々の状態は
奇跡に近いものらしかったそうな。
彼は本国で闘病生活を続けていたん
だけど、病気本来の症状や薬の
副作用でかなり苦しんでいたみたい。

んで、半ばタヒぬ間際の楽しみとして、
来日してみたんだけど、逆にそれが
よかったみたいだね。

>言葉も通じない酒場で孤独に酒を
飲むってどんな気持ちなんだろう。
>なんだか想像もつかんよ。

日本語は全然流暢でしたよ。
一応、米国と日本のハーフの方でした
から。

それに本人曰く彼は高校や大学の
時に来日していたらしく、その時に
日本大好き人間になったそうな。

流石に大好きな場所でも、やっぱり
一人ぼっちは寂しかったみたいね。
だから、俺と仲良く出来てたのが
本当に嬉しかったらしいけど。


>何年先でもいいから旅行のついで
でもいいからそいつの両親が生きてる
うちに
>渡米してそいつの墓に酒でも
手向けてやれ。

一昨年渡米して、彼の大好きだった
スコッチと日本ウイスキーを酌み交わ
してきましたよ。

んで、ご両親に当時の思い出話をして
きましたしね。
泣いて喜んでましたが。


>何ならギムレットでも。

ごめん、ギムレットは封印してるんだ。
今後もオーダーすることはないだろう。

本当は好きなカクテルだし、昔は
バーテンダー試しのネタにもしてた
けどね・・・
例の「長いお別れ」に出てくる
主人公がこう言うシーンがあるん
だけど。
友人が主人公との別れに、酒を
交わそうとすると、主人公が拒んで
こう言うんだ。
「君とのつきあいはこれで終わりだが、
 ここでサヨナラは言いたくない。」
「ほんとのサヨナラは、もう言って
 しまったんだ。」
「ほんとのサヨナラは、悲しくて、
 さびしくて、切実なひびきを
 持っているはずだからね。」

本当は知っていても。
やっぱり、お別れは言いたく
ないね・・・

314: もっふるさん 2006/09/28(木) 23:17:32 ID:nYXM03YP
>>312
>んで、ご両親に当時の思い出話を
してきましたしたしね。
泣いて喜んでましたが。

。・゚・(ノД`)・゚・。
また行ってください。
自分達以外に息子を忘れない人が
いることは、ご両親の支えになると
思います。

316: もっふるさん 2006/09/29(金) 00:11:56 ID:k6y/mkBL
実はおれもそう思ってた。
できすぎた話>>312

308: もっふるさん 2006/09/28(木) 20:22:53 ID:R4vBYwDZ
>>301
じーんときた。本人にもご家族にも
喜んで貰えて良かったね。
人生の最後を、異国で出合えた親友と
楽しく過ごせて幸せだったろう。

311: もっふるさん 2006/09/28(木) 21:44:05 ID:nYXM03YP
>>301
。・゚・(ノД`)・゚・。

344: もっふるさん 2006/09/29(金) 16:34:47 ID:v9iTC8AZ
>>301
see you next life、
ですか・・・(つд`)

302: もっふるさん 2006/09/28(木) 19:18:48 ID:kGdKmCcB
ほろり

303: もっふるさん 2006/09/28(木) 19:26:35 ID:OFdTvw2g
生まれ変わってもまた日本に
来てくれたら嬉しいなあ

304: もっふるさん 2006/09/28(木) 19:28:09 ID:kG1XHB2W
じーんときたよ。
チャンドラー読んだばっかだった。
来世でも友達だね。また会える。


引用元
https://life7.5ch.net/test/read.cgi/kankon/1158562357/


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