hebi_niramu_kaeru

34: もっふるさん 2011/07/15(金) 23:02:28.20 ID:+ZNP9Bvc0
知り合いの話。 

夏祭りが終わった夜、村外れの山裾を一人歩いていた。 

行く手の方角から、ズルズルと何かが
擦れるような音が聞こえてくる。 

やがて月明かりの下、音の主が眼に入ってきた。
道を横切って塞いでいる、黒光りする長い生き物。

蛇のように見えた。
太さは彼が一抱えするほどもあったらしい。

尾の先の方は繁みの中に潜っていて、
一体どれほどの体長なのかもわからない。

それが延々と山手の方に向かって這い進んでいる。


山肌を見やると、途中に穴が開いているようで、
蛇はそこに這い込んでいく。

「この斜面、こんな太い蛇が潜れる穴なんてあったっけ?」

凝視していると穴の縁が見て取れるようになってきた。


小さく古びていたが、間違いなく鳥居だった。

「あ、これ、主様かも知れん」

確かここの主は大蛇だったと年寄りに聞いたことがある。
行き逢えば祟ることもあるという話だったので、
慌てて踵を返すと別の道を辿って
家に帰ることにした。

翌日日が高くなってからもう一度そこに訪れ、
例の鳥居を探ってみた。

鳥居の周りは何処にも穴など無く、とてもあの蛇が
潜り込めるような隙間も無い。

「鳥居を抜けて通るってことは、神様の類なのかなぁ。
 でもあまり厳かな感じは受けなかったなぁ。
 何にせよ、祟られなくて良かったよ」

そう苦笑しながら、彼はこの話をしてくれた。


引用元
https://toki.5ch.net/test/read.cgi/occult/1310494082/


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