日本食ヘルシー伝説
その１
深夜のラーメン屋。
酒の〆でここに来てしまったダメダメな
私の隣には、バックパッカーらしい外国人男女。

「なんで日本に来たの？　日本のどこが好き？」
（以下意訳）みたいな会話をしていたので、
友人とかではなく、たまたま宿が
同じところとかなのかなと思いつつ
ラーメンを啜る私。

「日本は私の国から一番遠くて、
一番憧れてた国なの。
一番楽しみだったのは、そうね、日本食！」

外国人女性（聞き取りやすい英語で
一番遠い国……イギリス人？）も頑張って
箸を使いながら、ラーメンを食べている。

「日本の食べ物ってダイエットにいいのよ！」

…………。

君が深夜のこの時間に食べているのは、
背脂チャッチャな濃厚豚骨ラーメンだよね？

その２
資料を読みながら遅い夕食をと思って
ファミレスに入ると、真後ろの席に
外国人数名＋案内役の日本人が座っていた。

わいわい英語で会話している。

「日本で食べる日本食って、うちの国で
食べるのと全然違うのね！」

「そうそう、うちらの国で食べる
日本食ってなんなんだろう？って思うわ」

「昨日の焼き鳥もほんと美味しくて、
ヘルシーだったしね！」

メニューを見ながらこっそり聞き耳を
立てていた私の動きが止まった。
ちょっと待て。
　　　　　　　
焼　き　鳥　が　ヘ　ル　シ　ー　？
　
特にカワなんてとてもヘルシーじゃないし、
焼き鳥屋で食べる野菜なんて漬け物と
ネギマのネギぐらいだろ！　
と内心盛大なツッコミ。

案内役の日本人も動揺したのか、
「へ、へるしー？」
と超じゃぱにーずいんぐりっしゅ。

それに応答した外国人は弾むような声で
超満面の笑み（たぶん）。

「That's Chicken!（だってあれ鶏でしょ！）」
「...Yes,...That's Chicken...
（そ、そうだね鶏だね…ははは…）」
←日本人

この話を周囲の日本人に語ったところ、
「ほら、焼く時に脂が落ちるし」
「軟骨とか、レバーとかヘルシーだよね」
「焼いたシシトウ旨いよね」
などと自分自身を納得させるように
無理矢理焼き鳥のヘルシーなところを
挙げた上で全員
「………無いな！」
と否定し、鶏ってだけでヘルシーだなんて
アメリカ人だろうみたいな流れになったけど、
ごめん。

そのファミレスはサイゼリアだったんだ。

魔改造イタリアンを食べに来た
イタリア人だったのかもしれない……。

おおぅ久しぶりすぎて名前欄にsageを
入れてしまった...
指さして笑ってくださいorz

その３
これはよく行く酒場のマスターの体験談。

日本に住んで長いのか、日本にちょくちょく
来るのかちょっと不明なアメリカ人。

「日本の麺類は健康的だ、特に蕎麦」
「うん、そうだね」
「うどん」
「うん、ヘルシーだね」
「ラーメン」
「……………いやちょっと待て！」

「いや待て、君が言いたいことはわかる。
日本人にとってラーメンは
ヘルシーじゃないことは知っている。
だが、私の国のマ○ドナ○ドやケ○タ○キー
みたいな調味料も香料も何もかも
合成モノで何を食べさせられているのか
分からない国の人間からしたら、
ちゃんと自然のものを使っているって
だけでラーメンだってSoヘルシーだ！」
　
……アメリカ様のヘルシーの定義は、
日本人の定義の射程外でした。

そういやアメリカのファストフードでは
1000kカロリーを超えるサラダとかあるらしい。