「……きゃん　あい　へるぷ　ゆー？」

片言の英語に、ぱぁぁっと顔を明るくする
黒人男性たち。

「このあたりで、英語で使える
キャッシュディスペンサーないかな？」

（以下意訳）

「ここは？」

「ダメだったんだ」

「あっちのコンビニエンスストアは？」

「そこも日本語だけで」

「えー……」

困った。
普段英語で使えるATMなんて
意識していないので、思いつけない。

「ああ、一カ所だけは知ってる！」

「ほんとう？　どこ？」

「シティバンク・エヌ・エイ！　でも、
ここからだと歩いて２、３０分ぐらい」

「オウ……」

二人は顔を見合わせ思案し、片方がおもむろに提案した。

「じゃあ、ここの機械を君が操作してくれないかな」

驚いたのは私だけではなく、もう片方もだった。

「はぁ!? マジかよ！」

「だって彼女は日本人だぞ。大丈夫だろ」

「……そうだな日本人だもんな」

その結論にビビッたのはむしろ私。しかし
悪いことをするつもりもサラサラないため、
ビビリながらも無事に１万円をキャッシング
することに成功。

ハグされそうになりビクッと避けて
しまったことすらも彼らの対日本人好感度を
上げる要素にしかならず、日本人無害伝説を
広めてしまった気がしないでもない、
数年前の出来事だった。

今なら英語で使えるATMも増えているのだろうか。

無害伝説の方々には、たぶん多くの日本人らが、
楽しく過ごしてもらいたいなって気持ちを
少しずつ寄せたんだろうと思う。

私の前に、きっと彼らに何かしてあげたので
あろう日本人達の存在にも、なごなごします。

……それでも彼らは、そこまで警戒心を
忘れ去らないほうが良かったと思うけれど！

乱文失礼いたしました。

やべえ　何か和んだ
ありがとう…!